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「オレ達の地獄は、こっから始まったンだ。
「親戚同士の話し合いの結果、オレ達は母の弟に引き取られることになった。
「けど、オレ達が家に入った途端、叔父の態度は豹変した。
「学校には行かせてもらえたンだがな、教育、躾と銘打った虐待が始まった。
「飯も、僅かな生野菜だけでな。外出も、登校以外は認めてもらえなかった。
「朝叔父より早く起きねぇと、殴られて、学校から帰って、叔父の気分によって殴られて、騒ぎ立てっと殴られて……。
「しかもご丁寧に胴とか服に隠れるところをな。
「身体測定の日には休まされて、体育はいつも見学を義務付けられた。
「破ろぉもンならぼこぼこだ。
「でも、そンな生活の中でも、オレには救いがあった。
「一人、オレに構ってくる友達――親友がいた。
「そいつが、叔父に植物状態にされたンだ。家周りをちょろちょろされてウザったかったって理由でな。
「いい加減、我慢の限界だった。
「叔父を殺そうと本気で考えた。丁度、そンな時だったよ。
「姉さんが、勝手に外出して、首を絞められてたンだよ。
「それで、姉さんは外出できねぇ身体になっちまった。
「まぁ、そンな時に、後ろから叔父のガラスの灰皿で頭を殴りつけたンだ。
「結果、叔父はあっさり死ンだよ。
「死体はそのまま放置して、オレ達は二階で過ごすよぉにした。
「それから一週間後くれぇのことだ。家に殺し屋が来た。
「どぉも叔父は、あちこちに恨みをばらまいていたらしくてな。ンで、死ンだことを誰にも言ってなかったせいで、依頼された殺し屋が来たってわけだ。
「目撃された以上、殺す。
「そぉ言われて、そいつの手が姉さんに伸びた。
「オレはまた灰皿で殴り掛かったが、さすがに相手はプロだ。すぐに組み伏せられた。
「そンでどぉなったかってぇと、その殺し屋はおっさんの駒の一つだったらしくてな、保護された。
「次の日、オレ達と叔父の死亡ニュースが流れた。
「こぉして、オレと姉さんには、新しい名前が与えられたって訳だ。
「けど、姉さんは家を出よぉとすると、体調を崩す。そりゃもぉ尋常じゃねぇほどにな。
「だから、オレが食い扶持を稼ぐしかなかった。上鷺宮直属の殺し屋としてな。
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