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私は電車のドアが開くのと同時に外に飛び出した。息が苦しいのだ、とにかく、とにかく。
酸素を求めて地上で喘ぐ魚の様にとにかく。
反対側の線路から新快速電車が滑り込んでくるのを横目に、この駅には停車しない事を私は知っていたので安堵した。
息ができる。
目前に迫る歓喜に無我夢中で飛び込むんだ私を彼は優しい目で見つめてくれている。彼を見た訳ではないが感じるのだ。真っ暗な瞳には私はどう映ってるだろう。
そして私は光に飛び込んだ。
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