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「何で制御できないのかねぇ・・・」
うんざりしたように呟き、溜息を吐く。
レストの背中の翼は、自分が原因である事を意にも介していないかのようにゆっくりはためき続けていた。
とは言っても、その動きを制御しているのもレストならば、今動かしているのもレストなので、それはごく自然な事なのかもしれないが。
ともかく、彼の翼、そして彼自身が、今も未練がましく空を目指そうと動き続けている以上、彼を阻むものは彼の生まれついた星以外になく。
元から飛べる者との差を無情に噛み締めつつも、またも彼は大空を目指す事にチャレンジするため、丘になっている高所へと、空しく翼を上下に動かしながら歩いて向かったのだった。
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