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ドアの向こうに人影は見えなくて。
入ろうか入るまいか、ドアの前でうんうんと悶えて数分経過。
あーでもない、こーでもないとドアの周りをぐるぐるして
「よし!」
役に立たない気合いを入れて、ドアに手を掛けた。
「……上杉さん、何してるの?」
背後からやって来た声があたしの頭上に影を落として、ガラリと空き教室のドアを開けた。
間違いなく、伊達君の声。
あ。後ろにいらしたんですね……。
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