9th.moment

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「だから。勝ったら話すって……そう言ったじゃん」 伊達君はそれだけ答えると、持っていた鞄を乱暴に床へと放り投げた。 その大きな音に思わず肩がびくんと飛び上がる。 彼はそのままカーテンの隙間から窓の外へと視線を移した。 「伊達君……怒ってるの?」 「……違うよ」 「じゃあ……」 思うように言葉が出てこない。 「呆れてるんだ」 伊達君は小さく呟いて、初めてあたしの方へと顔を上げた。 「真田先輩に勝てない自分に、呆れたんだよ」 .
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