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「どうして……真田センパイ……?」
「どうしてだろうね」
いつもと同じようにはぐらかして、伊達君はじっとあたしを見つめた。
視線を直に受けて、機械仕掛けの人形みたいに一歩ずつ彼の元に近付く。
伊達君はふっと笑みをこぼして、その長い腕を上げてあたしを手招きした。
「伊達君?」
理由なんて分からない。
まるで吸い寄せられたかのように、あたしは伊達君の前に立った。
「……上杉さんの所為だよ」
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