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「あたし……そんなに伊達君に恨まれるような事、した?」
「さあね」
離れたかと思えば近付いて来る。
近付いたかと思えば離れていく。
彼とは平行線のまま
所詮、ただのクラスメイトでしかあるハズがないんだ。
「もうイイよっ」
伊達君の態度にイライラする。
思わず口を尖らせてそっぽを向いた。
「そんな事言わないでよ、上杉さん」
見上げた彼の顔から、また笑顔が消えた。
「あーマジで……悔しい……」
声に切なさが染みて
あたしの胸を刺す。
彼の身体がゆっくりと動くのが視界の隅に映ったと同時。
不意にふわりと温もりを感じて、あたしの身体はほんの少しの汗の匂いと甘い香水の香りに包まれた……。
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