9th.moment

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「あの、伊達君……?」 伊達君のサラサラの髪が首もとに触れてこそばゆい。 微かな汗の匂いが伊達君の中の“男の人”を感じさせて。 訳も分からないままに頭がくらくらした。 彼はあたしの肩に頭を預けて項垂れる。 顔を伏せたままその表情は見えないけれど 伊達君の感情が、肩を通して伝わって来る気がした。 試合に負けて悔しい気持ち。 本当に……それだけ? 横目に見た、伊達君の旋毛が綺麗。 男の子の頭のてっぺんなんて生まれて初めて見たかも知れない。 「しばらく……このままで居てよ」 言葉を漏らす度に触れる吐息がどうしてか、あたしの身体を熱くさせた。
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