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「あの、伊達君……?」
伊達君のサラサラの髪が首もとに触れてこそばゆい。
微かな汗の匂いが伊達君の中の“男の人”を感じさせて。
訳も分からないままに頭がくらくらした。
彼はあたしの肩に頭を預けて項垂れる。
顔を伏せたままその表情は見えないけれど
伊達君の感情が、肩を通して伝わって来る気がした。
試合に負けて悔しい気持ち。
本当に……それだけ?
横目に見た、伊達君の旋毛が綺麗。
男の子の頭のてっぺんなんて生まれて初めて見たかも知れない。
「しばらく……このままで居てよ」
言葉を漏らす度に触れる吐息がどうしてか、あたしの身体を熱くさせた。
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