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「伊達君……バスケ本当に上手だね」
「……」
「あたし、伊達君がシュートする時のフォーム、すごく綺麗で……好きだよ」
慰めのつもりなんかじゃなくて、自然に言葉があたしの口を伝った。
窓辺から伸びるオレンジが、伊達君の髪を染める。
溺れていく色彩の渦。
彼の頭が触れる肩の辺りが一段と熱くて。
高鳴る胸の鼓動が、耳の奥で弾ける。
「あー……俺。滅茶苦茶かっこ悪……」
「そんな事ない!伊達君は格好イイよっ」
あの体育館中を震わせた女の子達の声援は、みんな伊達君に向けられたモノ。
「バカだな、上杉さん。そういうのを……同情って言うんだよ……」
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