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あたしは週6で働いてた。
バイトの延長みたいなモンだった。
真っ暗な店内、爆音のトランス。
安っぽいカーテンで仕切られた小さな部屋に、L字のソファー。
ナース、レースクイーン、メイド、チャイナドレスの衣装を着た女の子たちが不味い水割りを作る。
その隣では口の中に出された精液をうがい薬で消毒する女の子。
異様な感じだったけど、あたしは嫌いじゃなかった。
男の精液がなにより大好きな、いやらしくて、お尻の軽い女になれるから。
どんなにつらい気持ちを抱えていても、別のあたしになれるから。
働いて3ヶ月目頃にはナンバーワンになってたよ。
咥えた数なんてわかんない。忘れた。
指名が増える毎に彼氏に渡す金も増えた。
彼氏には普通のバイトをしてることになってたんだ。
いくらお財布がパンパンに膨らんでいても、彼も親も、誰も疑わなかった。
あたしは嘘が上手なのかな?
それともみんなあたしに騙されたフリをしてたのかな?
もし、後者なら、止めて欲しかった。
あたしの手首はもう切るところが無いくらいに傷だらけになってるよ。
ヘラヘラニコニコ笑ってても、泣いてるんだよ。
ねえ、誰か、気付いてよ。
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