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レンちゃんと出会った次の日の朝、あたしは実家を出た。
もともと親には見放されてて滅多に帰ってなかったし、なによりレンちゃんと一緒にいたかった。
16歳の子供でも、人は愛せるよ。
あたしにはレンちゃんしか見えてなかった。
彼が見ていたモノは、まだわからなかったけど。
レンちゃんは家出をしたあたしを叱った。
けれど、実家に居場所がなかったあたしのことをすぐにわかってくれたんだ。
初めて大人を信じられたの、あたし。
本気で男に叱られるのなんて初めてのことだったケド、あたし愛されてるんだって思えたの。
その日から、援交もやめた。
毎日、朝起きてバイトに行って夕方から高校へ行く。
定時制高校だったから、夜の21:00に授業が終わる。
それからレンちゃんが学校まで迎えに来てくれて、家に帰って夕食を食べ、ふたりで眠る。
あたしにはこんな普通の生活が幸せでたまらなかったんだ。
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