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新宿2丁目の朝はメルヘンだ。
物々しい夜中の世界とは違い、優雅で可憐でおしとやかである。
小鳥のさえずりがそんな朝に華を添えればクラシック音楽が聞こえてきそうではあった。
「バッキャロイッ!俺の下着を洗う時は優しく手洗いしろって言っただろうが!」
爽やかな香りが堪能できる、6月のめずらしく晴れた朝。人々の優雅な朝をそんな怒号がぶち壊しにした。
驚いた小鳥達が声先を辿るとそこにいたのは逞しく伸びた口ヒゲに見事なまでに濃密されたアフロヘアの長身男【中村三男(なかむらみつお)】がプンプン顔で立っていた。
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