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「珠稀さん、あの絵の具とかは??」
「あぁ、きっと春斗様でしょう。」
え???
冬斗様の次は春斗様???
「春斗様は??」
「春斗様は矢坂家の三男様でございます。絵を書くことが好きで才能に溢れた方です。」
「へー…。」
あたしは中学の時、美術部だったし、ちょっと興味があった。
…というか。
冬斗様もいて春斗様もいるんじゃ、あたしは2人の世話をしなきゃいけないってこと!?
あたし、そんな自信ないよぉ…。
「大丈夫ですよ。」
「へっ!?」
いきなり珠稀さんに話しかけられた。
あたし、心の中を完全に読まれてる…。
「冬斗様も春斗様も、とても優しい方です。」
「そ…そうですか…」
よかったぁ。
これで少し安心してお屋敷で働けるよ。
「森崎様、つきましたよ」
顔を上げると、不気味なくらいに静かで綺麗なお屋敷が建っていた。
「あたしの…新しい居場所」
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