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「あの…」
そっと近づいて声をかけてみた。
でもなんの反応もない。
「あの!!!あたしの部屋で何してるんですか!!!」
大きめの声で言うと、男は少し驚いてあたしの顔をまじまじと見た。
「君、歯に青のりが付ているぞ。」
え???
あたしは一気に恥ずかしくなって、口を手で塞いだ。
…というか。
なんて失礼な男だろう。
初対面の人にあって初っぱなから「青のりが付いているぞ」って!!
ありえないでしょ!!
「いっ!!いいから出ていって!!早く出ていかないと人を呼ぶからね!?」
「静かにしてくれ。あまり大きい声を出されると、珠稀に気づかれてしまう。」
「珠稀さんのこと、知ってるの??」
「いや…、その前に君は、俺が誰だか分かってその口を聞いているのかな??」
「え?意味分からな…」
「矢坂冬斗と申します。矢坂家の長男です。」
「ふっ…、冬斗様!!!」
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