森崎まなみ

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軽く挨拶を交わしてあたしは車に乗り込んだ。 「では、出発しますよ」 「はい。」 車は石の門とは逆の方向に向かって動きだした。 「あれ???あの門から入らないんですか??」 「石の門ですか??」 「はい。あんなに立派な門なのに、使ってないんですか??」 「ええ、使っていません。」 「どうしてなんですか?」 「あれは飾りというか・・・矢坂家のシンボルのようなものです。」 「そうなんだ・・・」 たかが飾りがあそこまで立派なんて・・・・。 やっぱりお金持ちだ。 「冬斗様がお生まれになった記念に建てられたのですよ。」 「冬斗様???」 「はい、矢坂家の長男様でございます」 長男…かぁ。 ってことは!!! あたしは「冬斗様」のメイドな訳!? どんな人なんだろう。 どうか!! 優しい人でありますように!!
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