たっちゃん始めました。

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「まぁまぁ、そんな暗い顔すんなって。何があったかは知らないが溜め息なんかついてっと幸せ逃げんぞ?」 「あんたのせいだろ!」 思わず大きい声でツッコんでしまった。僕ははっとして目をそらす。 「なんだ元気あんじゃんかよ。それならもう大丈夫だぜ」 俺の肩をポンポン叩きながら親指を立てた。 は、はらたつ… その時僕はあることを思い出した。 「そういえば、名前なんですか?」 「人に名前を聞くときはまず自分の名を名乗るのが流儀ってもんだろうがぁぁぁ!!!!あぁぁん!!!??」 突然大声で怒られた。 訳が分からないがその迫力に驚いてなんだか泣きそうになった。 「…というのはうそぴょんだが、俺はたっちゃんだ。人呼んでたっちゃん!なんならたっちゃんでもいいし、親しみを込めてたっちゃんでもいいぞ」 またその人は僕の肩をポンポン叩きながら親指を立てた。 ツッコミどころが満載だったが言葉がでなかった。 こ、この人がたっちゃん…まさか『たっちゃん始めました』の人? そう、こうして10Pにしてようやく僕はたっちゃんと出会った。 いいや、出会ってしまった。 そして、僕の波乱の高校デビューが始まろうとしていた。
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