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「あの…」
「ん?何か質問か?」
「いや質問しかないんですけど…たっちゃん部って何するところなんですか?」
僕は意を決してずっと気になっていたことを聞いた。そもそも何をする部なのかも分からない部に入らされるなんてたまったもんじゃない。
「俺たちはこの学校には欠かせない存在なのだ」
たっちゃんは遠くを見るように目を細める。
「一見平和に、楽しそうに見えるこの学園の裏には悩みに悩んで苦しんでいる生徒がたくさんいるのだ…」
たっちゃんは何故か涙を流し始めた。
僕はただ黙って話を聞く。
「そんなところはほんとに平和なのか?皆が心から楽しめていると言えるのか?それは表だけじゃないのか…?そう思うと俺は動かずにはいられなかったのだ」
たっちゃんは涙を拭い、机にバンッと手をついて僕を見つめた。
「そんな生徒達、いやこの学校にいる生徒全員がこの淡い青春時代を楽しんでほしい…そんな思いからこの部を立ち上げたのだ!!!」
「おぉ…」
「嘘。半分ちょっと嘘なくせに」
「えぇ!嘘なんですか!?今すごい感動してたのに!」
「んだよー風華、嘘じゃないって半分くらい」
「やっぱり半分嘘じゃないですか!」
「要するに…」
風華…先輩だよな。風華先輩は僕の前に立ってこう言った。
「私たちは何でも屋。人が足りないから、あなた入りなさい」
風華先輩はたっちゃんよりたちが悪かった。
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