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「あなたは、変わりたいのでしょう?」
無表情に、それでいて全てを見透かすような黒い瞳で僕を見つめる。
僕は思わず息を飲んだ。
「…」
「…」
「…ジャーンケンポン」
「え、えぇ!?」
不意に始まったジャンケン。思わず反射的に出してしまった。
そして負けた。
「ず、ずるいですよいきなり始めるなんて!」
「出したくせに」
「それはっ…」
それだけ言うと風華先輩は元いた場所に戻ってしまった。
なんて自分勝手な人なんだ…!!
「よし!!決まったな!!」
「ちょ!今のは風華先輩が」
「あぁ?なんだって?」
たっちゃんは眉間にシワを寄せて顔を近付けてきた。
そういうの…ずるい。
僕は圧されて黙ってしまった。
「そいじゃあ早速この部員届にぃーっと!!カキカキ!」
もう、後に引けない…
この時抗うべきだったんだろうが、そんな力を僕はもっていなかった。
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