2人が本棚に入れています
本棚に追加
まぁいつもと変わらない朝なんだけどね。
いつも通り教室に入って、自分の席に一直線に向かって座り、そして読書を始めるのだ。流れるような作業。動きに少しの無駄もない。
僕はカバンから自分の本を取り出し…
ドサッ
…こんな日もあるさ。
はぁ、と一つ溜め息をして僕は本を拾おうとした。
しかし、僕の本は僕の手ではない手に拾われた。
「…はい」
「あ…あ、ありがとう」
僕は隣の席の人に拾ってもらった本を受け取った。
受け取る瞬間、隣の席の人と目が合うー
じょ、女子だ。
なぜか僕の鼓動は高まっていく。間違いなくやましい気持ちからではない。
お隣の女子は僕と目が合うと微かに微笑み、そして自分の席に戻ってしまった。
僕も不自然ながら自分の席に座り直し、ラノベを読み始める…。
そりゃあ心穏やかではありませんよ。
高校入って始めての女子とのコンタクト(クラスメート)なんだから。
僕はしばらく固まったままで、首を横に動かせなかった。
最初のコメントを投稿しよう!