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…まだ誰もいなかった。
まぁ普通に考えたらだれでも気付く。だって誰よりも早く教室を出たのだから。
その時、僕は気付いてしまった。
体育館ステージの上に仁王立ちする人の視線に。
誰もいない体育館なんだから嫌でも気付く。
不幸にも僕はその人と目が合ってしまった。
「ややっ!やややっ!!」
ステージの上に立つその人は大げさなリアクションをとって…
こけた。
「えぇ…」
僕がどん引きをするとその怪しい人は
「俺はお前みたいなやつを待っていたんだぜ…」
ここからじゃ分からないが、多分大の字になりながらその人は言った。
そしてその人は素早い身のこなしで立ち上がると突然、
「ああああああああああああああああーー!!!!!!!」
と叫びながら全力疾走してきた。
「え、ちょ…」
驚いた僕は反射的に反対方向に駆け出した。
「なぁんで逃げるんだぜーー!!!!」
僕は生命の危機を感じた。
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