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「おかえりぃ」
「お疲れ様です…って、何か荷物多くありません?」
ゲーム画面をスリープモードにして振り返ったミツも、その荷物の多さに目を丸くする。
「俺、そんな量頼んでたっけ…?」
「いやいやこれはね~おみやげ!」
「ちょっと重さを見誤ったけどな~」
苦笑しながらるうさんがいそいそとキッチンへ向かい、千明は両手で抱えていた買い物袋を何故か慎重にダイニングテーブルに置いた。
それからまだ両肩に提げている荷物をキッチンへ運び込む千明。入れ替わりにるうさんが出てきて、千明の置いた買い物袋から何やら瓶を取り出し始めた。
透き通った赤、青、緑、黄色、紫の液体が入った瓶5本。
それは買い物リストに書いた覚えのない品だった。
「え、お土産ってこれ?」
「まさしくその通り♪」
「何ですか…これ?」
「ふっふっふ~何に見える?」
「え~…?…ジュースとか、酒とか…?」
「ぶーっ!
正解はかき氷のシロップでーすっ♪」
「あっ千明、俺の台詞奪うなよ!」
「「「シロップ??」」」
るうさんが言う前に、キッチンから戻ってきた千明が声高に発表した正解をおうむ返しする居残った組。
買い出し組の二人は悪戯っぽく笑いながら事情を説明し始めた。
「スーパー行ったら夏物コーナーできててさ、そこで見つけたんだ~。
懐かしいし珍しいしでつい買ってきちゃったよ」
「おまけに氷まで買っちゃったら重くて重くて!氷抱えてんのに暑さMAXっていうね(笑)」
「そりゃそうでしょ…でも今の時期かき氷ってそんな珍しくもないんじゃないですか?」
「ところが充くんっこのかき氷シロップは普通のとちょーっと違うんだなぁ!るうちゃんよろしく!」
「了解っ♪」
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