サマーフレーク

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びしっと指を突き立てる千明に敬礼を返すと、るうさんは瓶の一本をラベルを隠すように持ち上げてみせた。 中の液体は透き通った赤。見た目は一般的ないちごシロップだけど…何が珍しいんだ? 「さあ皆さん問題です!これは何シロップでしょう?」 「え…?普通にいちご、じゃないの?」 「ん~廉くん残念!これはさくらんぼシロップでーす!」 言いながらくるりと瓶を反転させると、確かにそこには赤いさくらんぼのイラストが描かれていた。 「へぇ、さくらんぼのかき氷シロップ?確かに珍しいかも…」 「でしょ!?置いてあったシロップの種類が結構豊富でさ、その中でもあんまり見たことないやつ厳選してきたんだ」 「なるほどね…じゃ、この青いのは何ですか?ブルーハワイ…より色大分濃いけど」 ミツが指差したのは、藍色に近い深い青色のシロップ。 千明が得意げに答える。 「それはね、ブルーベリー!」 「へぇ、聞いたことない…面白いじゃないですか、他は?」 「ぱっと見はメロン、レモン、ブドウってとこだな」 「この黄緑がマスカット、黄色はグレープフルーツ、紫はハスカップだってさ」 へ~!と感嘆の声を上げる留守番組の反応に、買い出し組の二人は満足げにハイタッチを交わした。 その額に未だ光る汗を見て、さっき煎れたアイスコーヒーの存在を思い出す。  
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