サマーフレーク

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ほどなく何やら箱を抱えたリーダーとアイスコーヒーを片手に持ったるうさん(戻るときキッチンから取ってきたらしい)が戻ってきた。 少し埃っぽいその箱をダイニングテーブルに置いて蓋を開け、リーダーは満足そうに微笑む。 「おー中はだいじょぶそうだぞ。ひさびさだな~」 言いながら両手で箱の中のそれを取り出した。 「……タヌキ」 「……タヌキだ」 「……タヌキですね」 いかにも子供向けなキャラクター顔と茶色い寸胴なフォルム、丸いお腹の部分が空洞になっていて、そこがかき氷の器を置く部分なのだとわかる。 うん、なるほどタヌキだ…。 「これ俺や真くんが小学生だったときによく使ってたやつなんだよ~懐かしいなぁ」 「えと、ていうか何でタヌキなの?似たようなのでペンギンやシロクマなら見たことあるけど…」 「氷とタヌキ、関連性ゼロですよね?」 「え…い、言われてみれば…真くん知ってる?」 「さぁ…気づいたらうちにあったからわかんねぇや。多分母ちゃんが選んで買ってきたんだと思うけど」 「まぁ面白いからいーんじゃない?ナイスチョイスだよまこちゃんのお母さん!」 こいつ顔おもしれぇ~っと笑いながらタヌキ…もといタヌキ型家庭用かき氷機をいじり始める千明。 頭のてっぺんにあるレバーを回せば、まだ氷が入っていないのでキュルキュルと空ぶった音がした。  
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