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「ですが!」
ラグは白夜を庇うように抱き抱え、後ろに後ずさる。
老人はラグの言葉を遮るように、
「我らは貴族じゃ、魔盲なんぞが生まれたなんて世間に広まったことを考えると……考えるだけでも恐ろしいわ!」
その言葉はラグの前からではなく真後ろから聞こえた。
老人は白夜を荒々しくラグから奪い取る。
「この小僧は外国にでも捨っておくわい、新たな子供を生めばよかろう」
老人はその言葉と同時に音もなく姿を消した。
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