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一人の少年が木の枝の上に立っている。
少年は静かに町を見下ろす、その目は全てを諦めたような悲しい感情を宿したような、だが内に大きな炎を宿したような目をしていた。
「白夜、そろそろ時間ですよ」
そこに一人の少女が現れた。
白夜と呼ばれた少年は小さく頷き、木から飛び降りる。
木から地面までは軽く十メートルはあったが白夜は平然とした表情で着地した。
「……ここには戻って来たくは無かったんだがな」
白夜は静かにため息をつき、少女の前に立つ。
「ネル、依頼場所まで転移するから手を持て」
白夜はネルと呼んだ少女に手を差し出す。ネルは白夜の愚痴に苦笑しながら手を握る。
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