動乱

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 こうした半平太の誠実さに、更に道場の門下生は増えた。  そんなある日、いつもどうり厳しく稽古に励んでいる中、ボロボロのみすぼらしい着物を着た岡田以蔵と名乗る者が入門したいと申し出てきた。  岡田以蔵は、下級武士の中でも最下層の一つでもある、足軽という身分だった事もあり、武市道場の門下生は皆避けた。  中には、「あのような門下生は、武市先生に相応しくありません」と申し出る者までいた。
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