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「ありがとうございます。本当にありがとうございます」
以蔵は何度も頭を下げた。
それから間もなく、半平太の思った通り努力を欠かす事なく、みるみる腕を上げていった。
中にはこの姿を妬む門下生も多かったが、以蔵はくじけることは決してしなかった。
「先生、先生、わしも連れて行ってつかぁさい!!」
常に半平太のもとを離れずついてまわる以蔵を、半平太もとても可愛いがった。
血はつながってはいないものの、半平太にとっては本当の弟のような存在だったのだ。
そしておのずと、普段は、半平太、龍馬、以蔵の三人で行動する事が多くなり、三人で国のゆくすえについて論じあった。
半平太には至福を感じられる、最高の瞬間だった……。
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