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力の無さを痛感した。
力が無ければ、いくら説こうが、いかに頑張ろうが、国を動かす事は出来ぬ……。
心に一瞬の闇が走った。
吉田東洋が消えれば……。
この頃半平太は、反東洋派の上士に「一人東洋さえ無ければ、他の輩は一事に打ち潰すこともできよう」と吉田東洋暗殺をそそのかされていたのだ。
しかし、半平太の気持ちを見透かした龍馬は言った。
「アゴ、何を考えてるがよ」
半平太は胸ぐらを掴まれた。
「人を斬ったら、斬られた者や、その家族が悔しい思いをするだけじゃ。憎しみは憎しみしか生まん!!」
半平太はわかっていた。
ところが、だからといってどうする事も出来なかった。
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