天誅

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「那須、大石、安岡……。よろしく頼んだぞ」  半平太は那須信吾から順に、三人の拳を強く握りしめた。 「任せて下さい、先生!! わしらが土佐を変えちゃりますき」  三人は刀を腰にさし、半平太に一礼をして闇へ消えていった。  この時吉田東洋は、夜遅くまで酒を飲み交わしかなりの泥酔状態にあった。 「まったく、誰も時勢をわかっちょらんわ」  護衛二人に愚痴をこぼしながら千鳥足で歩いていた。  那須信吾ら三人はその姿を遠目で確認しつつ、曲がり角の屋敷の影に身を隠しその時を待った。
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