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母からしてみれば、休む間もなく学問や剣術に取り組む半平太のほうが心配でもあった。
ところが半平太は、その手を止めることはしなかった。
いつかは自分が、父や母に楽をさせてやるんだ。
その想いから、誰よりも文武に励んでいたのだ。
「父上は今日も、固場でございますか?」
母は頷く。
固場とは海岸線のことで、この土佐藩の決まりの一つで雨の強い日は下級武士である郷士が駆け付けることになっていた。
雨で海が反乱しないか見張りを任されていたのだ。
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