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その言葉に、その存在に、俺は確かに救われた。
それでも素直に泣けなくて、つまんないプライドが目を覚ましちゃって、
「ありがと」
顔を背けてそっけなく言った。
「じゃあ、また明日」
そう言って、俺は逃げ出した。
それが薫に会った最後。
そして最期となってしまった。
俺は、桜花家を舐めていた。
いくら頭が良いからって、大の大人には叶わない。
そうだった。薫は、俺が巻き込んだ。
一人家に向かった俺は、途中から誰かに付けられた。
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