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「避けない気か・・・ならば俺が避ける!!!」
この男は一体何なんだろう・・・。
このままではぶつかると悟ったのか、体を左に傾け私への直撃を見事に避けた。
しかし勢いは止まらず、男は左前方、私から言えば右後方にあったゴミ収集所へと突っ込んでいった。
今日は何の日だったかなぁ・・・そうだ、燃えるゴミの日だ。
ということは大丈夫だろう。それにしても迷惑な自転車男だ。うるさいし、これで懲りただろう。
「うぉぉ!!セーフ!!運よく一命をとりとめた!俺って運いいなぁ!!あ、どう?見ててくれた!?俺のドリフト!」
やたらエクスクラメーション・マーク(→!)の多い男だな。鼓膜が悲鳴をあげる。
私に話しかけるって事は、中学は別のはず。同じ中学で私に話しかけようなんて思う生徒はいないはずだから。
3秒くらい目を合わせた後、私は元の通学路に視線を戻した。
制服は同じ高校だから、すぐ私のいた中学の連中から話を聞くだろう。
あいつに話しかけても意味ない。何の感情も持たないロボットみたいな人間。
同じロボットでもロボ○ンやドラ○もんの方がよっぽど感情があるなど、散々言われたものだ。
でもドラえもんと比べられても困る。逆にあんなに表情豊かな人間もいないんじゃないだろうか。
そんな無駄な事を考えながら、私は男を無視して元の道を歩きだした。
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