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学校までの辛抱―――最初はそう思っていた。
しかし時間がどんどん長くなるにつれて、この男の声を聞いているのが煩わしくなってくる。
人と話すのなんて先生以外でいつぶりだろう・・・
そんな事を考えながら口を開いた。
「あのさ、」
「うわ!しゃべれない人かと思ってたけどしゃべれたんだ!何何?名前教えてくれる気になった!?」
「うざい。」
今まで散々うるさかったが、ピタッと声が止まる。
さすがに私が嫌がっているということが分かったのだろうか。
逆にここまで分からなかったのが不思議でたまらない。10分くらいずっと無視していたのに。
可哀そうなことをしたとは思わない。むしろ可哀そうなのは私の方だ。
興味がない話を延々と聞かされていたのだから。
だがこれで黙ってくれるのであればまだ良かった。
分かったらさっさと離れて・・・
「よく言われるんだよね~!いやぁ傷つくなぁ!あ、そうそう。まだ名前聞いてないよね!そろそろ教えてくれてもいいんじゃない!?同じクラスになるかもしれないんだしさ!!」
・・・・・・・・・何なんだ、こいつは。
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