No.0 十二年前

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「そう……。家の人も死んだのね。」 「ごめんっ。僕がもっと強ければ……。」 「謝らなくていいわ。あの人も覚悟を決めて自警団に入ったんですもの。 今は貴方が無事だったことを喜ぶべきだわ。 それで、どうしてここまで戻ってきたの?東の方はまだ戦闘中なんでしょ?」 「そうなんだけどね。《シャドー・エッジ》の勢いが強すぎるんだ。東地区が落ちるのも時間の問題だ。 だから自警団の本部で、せめて西地区の人達だけでもこの街から脱出させる事が決まったんだ。 僕はその伝令と退避するまでの護衛。 だからすぐに行かなくちゃならない。 姉さんたちもすぐにこの街から脱出して。 真っ直ぐ西に進めば《バルバトス》の街に着く。そこには騎士団が常駐しているはずだ。」
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