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「な、何?この部屋……」
その薄暗さゆえか、壁に貼られた紙が、より一層不気味に見える。
まるで、いつの時代からか、時が止まっているかのようなその部屋は、妙な威圧感があった。
「この部屋は僕が、キミ達と同じ高校生の時に使っていたんだよ。まさか、誰かを入れる事になるとは思わなかったけどね」
そう言いながら、部屋の電灯を点ける八代先生。
ノートや紙が散乱する部屋の、学習机の前に立ち、一番上に置かれていたノートを一冊、手に取って私達の方を見た。
「実を言うと、僕だって『カラダ探し』の全てを知っているわけじゃない。高校生の時に調べ始めて、やっと集めた情報は……それほど多くないんだ」
そのノートを翔太に渡して、椅子に腰掛ける八代先生。
パラパラとノートを見た翔太は、あるページでその手を止めて、目を細めた。
「小野山……美紀?」
ボソッと呟いた翔太の顔を、私と理恵が見つめる。
小野山美紀?「小野山美子」じゃないの?
理恵もそう思ったはずだ。
留美子は部屋に貼られた不気味な紙を、訝しげに見つめていて、今の言葉には気付いていない様子。
「そう、そこに書いてある通り、小野山美紀は……美子の双子の姉だ」
八代先生の言葉に、私も翔太が持つノートを覗き込んだ。
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