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学校から帰り、昨日と同じように時間を潰し、昨日と同じ夕食を摂り、昨日と同じようにベッドに横になっていた。
日付が昨日と同じだから、メニューも同じで、あまり食べる気がしない。
それに、この後に起こる事を考えていたら、食欲なんてあるはずがなかった。
昨日の今頃なら、理恵とメールをしていた時間だけど、それも今日はなくて。
何もしていないと、時間が経つのが遅く感じる……。
死刑囚が、死刑を執行される前は、こんな気分なのだろうか?
楽しい事を待っている時も、時間が経つのが遅く感じるけれど……。
それとは全く逆の心境だ。
イライラして、何かに当たりたくなるような衝動。
生理の時の何倍もイラつく。
「何で私なのよ!!他の人でも良かったでしょ!!」
どうせ……「赤い人」に殺されたら、また同じ日が繰り返されるんでしょ!!
その思いが、私を奇行に走らせた。
「もう嫌!こんな物……こうして……こうやって!!」
そう叫びなから、布団の生地を破り、中から羽毛を引き出して部屋にばらまいた。
枕にも鋏を突き立てて、そして思いっきり引き裂く。
その中の羽毛を上に放り投げて……ヒラヒラと落ちる羽根を見ながら、涙を流した。
「はは……今日は……メールが来なかったじゃん……」
羽毛が散乱した床を歩いて、時計の前に来た時だった。
0時を告げる、ピピッという電子音が鳴り……。
気付けば、私達六人はまた、学校の玄関の前にいた。
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