真実

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『団長、陛下が呼んでいますが…』 と声をかけるが 目の前の人が起きる気配は無い。 どうしようかと思っていると 『わかった、直ぐに行く。』 と声がして目の前の人が起きる 目の前にいる人こそレノード王国騎士団団長のリュウト・エリウスである。 銀髪に瑠璃色の瞳という珍しい色合いだが それが彼の美貌を引き立てている。 『ご苦労だった。』 一言言うと部屋から出ていくので急いで後を追う。 全く稀な昼寝日和だったが陛下が呼んでいるなら仕方がない。 しばらく歩くと 謁見の間に着いたようだ。 ここで俺は部下をさげて 謁見の間に入った。 豪華絢爛な室内でその存在感は消えることは無い。 その存在こそレノード王国国王のオルフェイス・アン・キルウェルである。 俺は玉座の前で膝をつく。 厳かな空気が少し揺らぐと、陛下が口を開いた。 『明日は舞踏会があるが余は国務で出れぬ。代わりに出てくれぬか?』 俺はすっと立つと 『もちろんです。陛下の代わりになれるかわかりませんが。』 陛下は口元に笑みをうかべ『頼んだぞ。』 と言うと俺は謁見の間から出ていった。 今日は陛下に家に帰るように言われ、 部屋の荷物をまとめると、王宮から出て、 口笛を高らかに奏でると、空から心地よい羽ばたきが聞こえてきて俺の前に降りたった。 俺の相棒の蒼竜グレンレイトゥユことグレイユ 俺はグレイユの背にある鞍にまたがるとグレイユは翼をひろげ、数回羽ばくと空へ飛び立った。 15分ぐらいだろうか しばらくして俺の家が見えてきた。 2階のバルコニーにグレイユは降りたった。 俺の家はそこら辺の貴族より広い。 陛下には感謝しているが 何しろ管理がたいへんだ。 家の中は高くしてあり、 あまり装飾品を置いていない。 グレイユの背から降りると、服をゆったりとしたズボンとシャツに着替える。 グレイユは丸くなってもう寝たようだ。 今はちょうど20時だ。 俺は明日着る服を用意して庭にそっと出た。 外は晴れて満月が輝いている。 あれから3年… 長い間だったが俺にとっては短い間だろうか。 俺とグレイユが陛下に助けられたあの日から… 『正体を隠すしか…』 方法が無かった。 ふわりと風が俺の銀髪を撫でていく。 1時間じっとして部屋に戻り、ベットの上に転がった。 しばらくして意識がなくなっていった。
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