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陛下は俺を呼び出し、そう告げる。
陛下の横にはアンシャル家の当主アナス・アンシャルがいる。
俺は立ち上がり、陛下を見据えた。
『俺を団長から降ろしたのは何故でしょうか?』
陛下はアナスに退室するように促すと、アナスは謁見の間から出ていった。
俺にすれ違う時、
『化け物め。』
と呟いていたが…
陛下は玉座からおりてきて、俺の前に立つ。
『すまぬ、リュウトよ。本来は、リュウトに勤めてもらうのが良いのだが、余がアンシャル家に敵うはずがない。』
『アンシャル家…奴らは俺の正体がわかるのですか?』
陛下は頭を伏せた。
『リュウトが銀華竜であることはわかっておらぬ。だが、化け物と思っているようだ。何やら妙な方法で核心したようだ。』
なるほど、そういうことか…
『タイスの花を使ったんでしょう。竜は人と違い、鼻が良いので。』
陛下は申し訳なさそうに呟く。
『リュウト、これからどうする?』
『とりあえず、最後の仕事をしてからは、ルイスに譲りますよ。』
俺は謁見の間から出ていこうとする。
『気を付けるのだぞ。』
陛下は真剣に俺に伝えた。
『御意。』
そういって、謁見の間を後にした。
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