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『そう…残念ね。』
私は、リュウトが団長から降ろされたことを先ほど知らされた。
裏にはアンシャル家の陰謀があるとのことだ。
『シルフィー、しばらく、一人になりたいの。』
私は目の前の侍女に頼み込む。
『それがお嬢様の頼みなら、断る訳がありません。』
と言って、部屋を出ていった。
最近、未来を見ることが出来ない。
原因が解らず、リュウトに相談したいと思っていたのだけど、会える機会もない。
私はどうしたら良いの。
その時だった。
コンコンとノックの音が響いた。
私は返事が出来なかった。
すると、ドア越しから声が聞こえてきた。
『久しぶりだな、ユリティア。』
その声は、会いたいと思っていた人だった。
『入って、リュウト。』
その人はドアを開けて、部屋に入ってきた。
私は思わず、リュウトに抱きついていた。
リュウトは少し驚いていたが、私を抱き締めてくれた。
『ユリティア、頼みたいことがある。』
リュウトは静かに囁いた。
『私も聞いて欲しいことがあるの。でも、リュウトの頼みを聞いてからにしたいの。』
リュウトは『良いよ。』と言って、話し始めた。
『ユリティア、明日はこの王宮は戦場になる。これを持っていてくれないか?』
渡されたのは、銀色の三日月のペンダントだった。
『アミルスの形見なんだ。ユリティアに持っていて欲しい…』
私は頷いた。
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