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『絶対に無くさないわ。リュウト、私…未来が見えないの。』
リュウトは私の頭に手を置いた。
『君は未来を見るのが、恐い?』
『恐くないわ。』
リュウトは私に目線を合わせた。
『君が未来を見ることを誰にも話していないだろう?それが原因さ。』
私は恐かった。
リュウトが消えてしまうの気がしたから。
『私は…ずっと未来を見てきたけれど、こんなに未来を見るのが恐いと思うとは…』
思わなかった。
その言葉が出てこなかった。
リュウトは微かに頷いた。
『それでいい。それから…すまない。』
どういうことか聞こうとすると、目の前がだんだん細くなっていく。
その時、リュウトの瑠璃色の瞳が光っているように見えた。
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