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もうすぐルイスが中庭に着く頃だろう。
窓の外に目を移せば、ルイスが走って中庭に着いたようだ。
不意にルイスの持っている魔晶が輝きだす。
そして、王宮の四方から白い光が立ち上がる。
白い光は広がり、遂に王宮をすっぽりと包み込んだ。
俺は手を前に出し、静かに唱えた。
『全てを守りし障壁よ。我の命により、発動せよ!!』
ルイスの持っている魔晶がふわりと浮き上がり、噴水の上に留まる。
さっきまで白い光だったが、虹色に輝く。
王宮の周りに虹色のドームが作り出される。紅い夕日に照らされ、その輝きはだんだん強くなっていく。
俺は窓の縁(ふち)に腕を置き、しばらく様子を見る。
紅い夕日に黒い影が浮かび上がる。
それが敵であることに間違いない。
だが、その影は遠く、まだ王宮に着くまで時間がかかるだろう。
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