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俺は再び窓の外に目線を移す。
『さて…ああ言ったがどうするか。』
おそらく、サクリファイアスは俺の力を手に入れようと本気になるだろう。
そうなれば、応戦(おうせん)するしかない。
様々な考えが頭に過(よぎ)る。
外をみれば、夕日に映る影は少しずつ大きくなっていく。
そろそろ戦闘準備をするか…
俺は愛剣を魔法陣が置いてある机にそっと置く。
剣の上に手を置き、静かに目を閉じる。
『我の使いし剣よ。真なる姿に戻れ!!』
すると、剣がほのかに輝き、形がだんだん変わってくる。
真っ直ぐでシンプルなデザインの剣は、やがて、少し反(そ)れていき、まるで刀のような形状に変わっていった。
デザインもよりシンプルになり、まるで刀が戦うために飾りをなくしたようだ。
俺は形状が変わった愛剣を手にとる。
『久しぶりの感覚だな。』
剣の形状を変えたのは訳あって変えたのだが、かれこれ2年になる。
その剣を持ち、部屋から出ていこうとする。
コツコツと足音が響き、やがて、部屋のドアにたどり着く。
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