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廊下を歩く足取りは重く、普段は近い中庭に行く道のりが遠く感じられる。
やっとの思いで中庭に着くと、ルイスとグレイユが魔晶を注意深く見つめていた。
俺の足は完全に止まり、二人を眺(なが)める。
グレイユがルイスと少し話してこちらに向かってくる。
『魔晶は正常に働いています。この調子ならば3日はもつかと。』
グレイユは黙々(もくもく)と俺に報告する。
俺は空に広がる結界を見上げる。虹色の輝きは色褪せておらず、損傷はみられない。
『3日か…果たして結界が破られなければいいが。』
俺はグレイユに不安げに語りかける。
『魔法で補強すれば、6日はいけると思います。』
グレイユはそんな俺に提案をする。
それだけあれば、どうにかなるだろう。
俺が頷(うなず)くとグレイユは魔晶に近づき、結界の補強をするために、魔法をかけ始める。
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