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俺は動かないルイスを見る。
ルイスは少し暗めの金髪を首筋のところで切り揃え、水色の騎士服を着ている。
やがて、ルイスは俺に気付き、走ってくる。
そして、俺の正面に立ち止まる。
俺は目の前に居るルイスを見つめる。
ルイスの鳶色(とびいろ)の瞳は焦りや恐怖を感じることはない。
むしろ、普段より冷静に感じられる。
俺はユリティアの部屋の方向に視線をそらす。
『ユリティア様を頼む。』
短くルイスに告げる。
そろそろ魔法がとけ、眠りから覚める頃だ。
これはルイスにしか頼めないことだった。
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