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キンコンカンコーン
キンコンカンコーン
時はみな待ちわびたであろう放課後。
聞いているのか聞いていないのか担任の話をスルーしつつあったクラスの子たちはこのチャイムの音とともに騒がしくなった。
「カラオケだー!!」
「今日バイトいきたくなー」
「ふぁ~...ねむっ」
「部活ー」
みんなそれぞれの用事があるらしく、バイトがめんどくさいと嘆いている者もいれば眠そうな人もいる。
教室を友達と楽しそうにでていく人もいれば部活の準備をしている人もいて。
いつもの放課後。いつもの教室。
高校二年生の新学期が始まってはや一ヶ月がたとうとしていた。
クラスがえをして新しいクラスにも慣れてきたかなと考えていた矢先のことだった。
「おい」
ドスのきいた低い声。
それにわざとらしく肩をびくつかせた私...大原 苺にこれでもかと睨みをきかせた声の主。
「えと、か、金平、くん?」
金平 樹くん。
私の...いっちばんの苦手な人。
「なぁ?昨日俺の言ったこと忘れてんのか?あ?こら」
「だ、だって...」
「一日たったら忘れるお前の脳みそどうにかなってんじゃねーの」
「ひ、ひどい…」
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