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白崎は絢子を見下ろしニヤリと笑う。
「お前、『補佐部』に依頼か?」
「あ…あのっ…、私っ…やっぱり…」
「まぁ、ゆっくりしてけや」
言うが早いか白崎は絢子の首根っこを掴むと、素早く化学準備室の扉を開き中に絢子を投げ込む。
「ぎゃああーーー!!?」
「にぎゃああーー!!?」
悲鳴がハモって、絢子は倒れ込む。
(あれ?痛くない?)
てっきり固い床が待っていると思ったのに、落ちた先は何故か柔らかい。
「よ、よけて…」
絞り出されたような声に、絢子が下に目を向ければ。
「は…や…く…」
自分の下には、人がいました。
「ぎゃああーー!!?ごめんなさい!ごめんなさい!!」
慌てて飛び退いて、平謝りをする。
下敷きにされていた人は関節を回しながら、起き上がるとキッと鋭い目つきで扉を睨んだ。
「白崎先生っ!俺が扉の前に居るのわかっててワザとこの子投げたでしょう?!」
「あぁ、当たり前だ。問題あるか?」
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