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「人は、投げるな!!」
「ハッ………」
鼻で白崎が笑い、下敷きにされていた人はがっくりと肩を落とす。
白崎は化学準備室の中に入り、さも自分には関係ないことだと、ソファーで煙草を吸い始めた。
それを見てため息を吐き出すと、ゆっくりと顔を上げて絢子に向き直った。
「とりあえず、『補佐部』にようこそ。部長の神崎 知紗兎(かんざき ちさと)です。本日のご依頼内容は何ですか?」
マニュアルのようなセリフで挨拶する知紗兎は、絢子の記憶のうちでは話題に事欠かない人だ。
男勝りな容姿と性格で、色々受難体質らしい。
喧嘩っ早くて怖いと言う噂もあるが、あの誠の親友なら絢子には怖くない、少なくとも白崎よりは。
だから、絢子はすんなりと口を開くことが出来た。
「誠君が言ってたんだけど、ここってアルバイト紹介して貰えるの?」
「するよー、長期休み前に来たってことは、短期バイト?」
「…うん。あの…」
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