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流石に金銭のことを初対面の人には言い辛いが、これを言わなくて意味がない。
「明日からの一週間以内にどうしても7万円必要なの!アルバイト紹介して下さい!」
「一週間で、7万円ねぇ…」
絢子の言葉に、知紗兎は考えるように首を捻る。
(やっぱり、ないのかなぁ…)
悩む知紗兎に、絢子は心の中で申し訳なく思いつつも、落胆する。
「あ…」
知紗兎は何かを思い出したように声を上げて、絢子に向き直る。
「内容問わない?」
「えっと、それはやっぱり物によるけど…」
「あーっと、じゃあさ、会社とかに出入りするの嫌じゃない?」
「たまにお父さんの届け物するから、嫌ではないよ」
「人当たりは?」
「悪く…は、ないと思う」
「うーん、後は…。あぁ、忍耐力ある?」
「よく、我慢強いとは言われる」
「そっか。んじゃ、大丈夫だ」
知紗兎はニッコリと笑って、ルーズリーフを一枚取り出し、何かを書き込みながら、どこかに電話をかける。
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