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金曜の夜。毎週のこの日は、ダーマ家庭教育協会の、3ヶ月お試しキャンペーンで、ダーマの職員が家に来る日だ。
ダーマとは、全国的に展開している会員制の予備校であり、家庭教師を派遣してくれるサービスもついているのだ。
そして、丁度2ヶ月が過ぎた今日、俺はついに前から抱いていた疑問を、家庭教師の赤坂 宗吾にぶつけた。
勉強机の横に立つ赤坂、俺はシャープペンシルを動かす腕を止め、赤坂の顔を見ないようにして聞いた。
「赤坂…あの~、あんたさ」
「ま~た呼び捨てにして、赤坂先生だっていつも言ってるでしょ?」
「いや‥それよりさ、あんた…母さんに惚れてるろ?」
‘しまった,
「な、何を言うんだ!急に、止めてよね優君?僕、家庭教師だよ?腐っても家庭教師だよ?」
「いや、もう腐ってるよ、心の中で言ったつもりかしらんけど、‘しまった,って言ったの聞こえてるからね?何、ごまかせたー的な顔になってるのよ…」
赤坂は分かりやすく後ずさり、冷や汗を流していた。
‘落ち着け僕、大丈夫だ…相手は所詮場数も踏んでないガキだ、大丈夫だ,
「いや、もうあんたが大丈夫じゃねぇよ!丸聞こえなんだよ!あんたが場数踏めてねぇんだよ!」
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