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赤坂は突然床に手をつけ、語りだした。
「そうだよ…確かに君のお母さんを見てると心が揺らぐよ‥
「やっぱりあんた…」
犯罪者になろうかなって…」
「シバくぞ変態!」
午後8時20分、後10分で母さんがジュースとお菓子を持ってくる時間だ。
互いに気まずくなるのは目に見えていた。
確かに家の母さんはバツイチで今は夫もいないが、とんだ家庭教師だ。
「ふ…優君、僕はもう君に顔を合わせることが出来ないよね?…来週から違う人よこすからさ‥このことは、無かったことにしてよ‥」
俺は、赤坂の言葉を聞いて、あの日のことを思い出していた。母さんが離婚したあの日、いや‥正確に言えば、父さんが女連れて、出て行ったあの日。
散らかった部屋、父さんと揉め合った傷が痛々しく残っていた母さん。
あの日のことは忘れない。母さんの…
「へへ、父さん出てっちゃった…」
あの強がった笑顔と、涙を…
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