かてーきょーし

3/10
前へ
/10ページ
次へ
赤坂は突然床に手をつけ、語りだした。 「そうだよ…確かに君のお母さんを見てると心が揺らぐよ‥ 「やっぱりあんた…」 犯罪者になろうかなって…」 「シバくぞ変態!」 午後8時20分、後10分で母さんがジュースとお菓子を持ってくる時間だ。 互いに気まずくなるのは目に見えていた。 確かに家の母さんはバツイチで今は夫もいないが、とんだ家庭教師だ。 「ふ…優君、僕はもう君に顔を合わせることが出来ないよね?…来週から違う人よこすからさ‥このことは、無かったことにしてよ‥」 俺は、赤坂の言葉を聞いて、あの日のことを思い出していた。母さんが離婚したあの日、いや‥正確に言えば、父さんが女連れて、出て行ったあの日。 散らかった部屋、父さんと揉め合った傷が痛々しく残っていた母さん。 あの日のことは忘れない。母さんの… 「へへ、父さん出てっちゃった…」 あの強がった笑顔と、涙を…
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加